なぜ日本のフィールドサービスDXは進まないのか?再整理

お世話になっております。

YMGアドバイザリーの山口です。

本メールは【週刊 フィールドサービス業務DXのヒント】として、現場DX(フィールドサービス・アフターサービス)推進に役立つポイントを毎週お届けするものです。


今日は初回として、なぜ日本でフィールドサービスDXが進まないのかを改めて整理します。

現場の訪問・修理・保守サービス業務は多くの企業でデジタル化が遅れた領域です。理由は比較的単純で、 ・従来型(紙・電話・Excel・旧システム)の運用でも日々の業務は回っている。課題はあるけど、別に困ってはいない。 ・最終顧客はサービスの「速さ」「確実さ」など結果を求めるだけで、途中プロセスの合理化を(直接は)要求しない ・サービス部門の業務高度化へは、DX化投資は後回し(コストセンターの場合はもちろん、プロフィットセンターであっても) だからです。

しかし、労働人口の急激な減少とベテラン技術者の大量退職、Z世代など若年労働者獲得・育成の問題により現場の人材不足は加速しており、現場対応の遅れや対応品質のばらつきが収益に直結する時代になっているのは、日本だけでなく、海外先進国でも同様です。さらにサービス契約(サブスク化)・アフターサービス収益化が海外では加速しており、日本企業にとっても顧客維持と収益改善のために避けて通れない課題であるのは明白です。

2000年代後半からコロナ禍前までは、「サービスで儲ける」「モノ売りからコト売りへ」と叫ばれ、いよいよフィールドサービス・アフターサービス領域でもDXが進んでいくのかと期待しましたが、残念ながら潮流が変わったのか、流行り言葉に終わってしまった感があり、今日現在に至っています。

DXが進まない理由は「現場がITを使わないから」ではなく、経営層が現場サービスの戦略的重要性を正しく理解せず、そのように位置付けてこなかったことにあります。つまり「人材不足対策」だけでなく、サービス部門を収益部門へ変える武器としてのDXという戦略が必要なのです。

私自身、外資系SaaSベンダーにおいて現場業務改革提案を長年支援し、今年、書籍『なぜ、日本のフィールドサービスDXは進まないのか』を出版しましたが、多くの企業で共通する悩みは「課題は明らか。だが、どこから始めて、どのように社内を説得すれば良いかわからない」でした。


次回は、**フィールドサービス改革を進める最初の一歩は何か?**についてお伝えします。

ご質問などございましたら、お気軽に ymg-info@ymg-advisory.comへお問い合わせくだされば、ご回答いたします。

それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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フィールドサービス改革を進める最初の一歩