FSM提案が価格勝負に陥る3つの理由と対策

FSM(フィールドサービス管理)の提案は、なぜ価格勝負に陥るのか?
機能差が乏しく「どれも同じ」に見える、顧客課題と接続できていない、ROIを示せない──この3つが典型的な原因です。本記事では、それぞれの要因を整理し、勝率95%を実現する「勝ち筋設計」の視点から対策を提示します。

フィールドサービス管理(FSM)やアフターサービスDXの提案に携わっていると、こんな経験はないでしょうか。

・どのベンダーも似たような機能を提案していて差が出ない

・最終的に「安い方で決める」と言われてしまう

・提案書やデモ作成に膨大なリソースをかけても、結果は不採用

実はこれは営業担当やSE個人の力量だけの問題ではなく、FSM提案特有の構造的な課題です。

本記事では、なぜFSM提案が価格勝負に陥るのか、その3つの理由と対策を整理します。


理由① 機能差が乏しく「どれも同じ」に見える

FSM市場の主要ソリューションは、すでに機能が進化しています。

どの製品も「スケジューリング」「モバイルアプリ」「在庫管理」などの基本機能は揃っており、顧客からすれば 「どれを選んでも大差ない」 と映ります。

こうなると、顧客の比較軸は必然的に「価格」に偏ります。

結果として、いかに優れたソリューションでも、値下げ競争から逃れられません。


理由②:顧客課題との接続が弱い

多くの提案では、「機能の説明」に時間が割かれすぎています。

  • どんなスケジューラーか

  • どんなダッシュボードか

  • どんな連携ができるか

しかし顧客にとって本当に知りたいのは、「自社の現場課題が解決するのか?」 という点です。

機能説明は便利さを伝えられますが、課題解決のイメージが湧かなければ、結局は「価格」だけが判断基準として残ってしまいます。


理由③:ROIを示せない

稟議を通す立場の経営層は、最終的に投資対効果(ROI)を求めます。

「この投資は何年で回収できるのか?」
「削減できるコストや向上する生産性はどの程度か?」

残念ながら、FSM提案ではROI試算が十分に示されないことが多いのが現実です。

その結果、経営層からは「効果が不明瞭なら、安い方にしておこう」と判断され、価格勝負に直結してしまいます。


対策:勝ち筋設計で「価格以外の選択基準」をつくる

価格勝負を避けるには、「勝ち筋設計」の発想が必要です。

  1. 顧客固有の課題に刺さる提案

    • 現場ヒアリングを通じて、企業固有のボトルネックを特定。「御社だけに当てはまる課題」を提示することで、提案が差別化される

  2. シナリオ型デモの構築

    • 機能紹介ではなく、「御社の業務フローがこう変わる」という物語を描く

    • デモが「課題解決のシナリオ」として響くと、価格より効果が判断基準になる

  3. ROI試算の提示

    • 導入効果を数値化(コスト削減額、リードタイム短縮、稼働率改善など)

    • 稟議に必要な「投資対効果資料」として提供

    • 「価格」ではなく「投資判断」として比較してもらえる


まとめ

FSM提案が価格勝負に陥るのは、

  • 機能差が乏しい

  • 顧客課題と接続できていない

  • ROIを示せない

この3つの理由が重なっているからです。

逆に言えば、これらを潰して「価格以外の基準」を作ることで、勝率を飛躍的に高めることができます。


YMGアドバイザリーは、勝率95%を実現してきた「勝ち筋設計」を軸に、提案戦略・デモシナリオ構築・ROI算定をご支援しています。

提案の現場で価格勝負に悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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