フィールドサービス提案で「デモが刺さらない」本当の原因
FSM(フィールドサービス管理)DX提案で「デモが刺さらない」と悩んでいませんか?
汎用デモのまま、顧客課題を反映できない、ストーリー性がない、Wowに偏ったビジョンデモ──これら4つの典型原因が、提案を価格勝負に追い込みます。
対策は「シナリオ型デモ」。顧客固有の課題をストーリー化し、ROIに接続することで、意思決定を後押しするデモに変わります。
フィールドサービス管理(FSM)やアフターサービスDXの提案現場で、こんな経験はないでしょうか。
・デモ環境を一生懸命準備したのに、顧客の反応が薄い
・「機能は充実しているのに、なぜか響かない」と感じたことがある
・せっかくのデモが受注につながらず、結局は価格勝負になってしまう
実はこれは、担当者の説明が下手だからでも、顧客の理解力が足りないからでもありません。
多くの場合、デモの設計そのものに問題があるのです。
本記事では、デモが刺さらない4つの典型原因と、その対策を整理します。
原因①:汎用デモをそのまま使っている
多くのベンダーが提供する「標準デモ環境」を、そのまま顧客に見せていませんか?
確かに標準デモは手軽で安心感がありますが、顧客からすると「他社も同じような内容を見せてくる」と映ります。
その結果、「うちの業務には合っていない」「結局何が違うのかわからない」と感じられてしまうのです。
刺さるデモとは、顧客の業務プロセスや用語が反映された「自分ごと化」できるデモです。
汎用環境のままでは、その効果は期待できません。
汎用デモで盛り上がるのは、顧客の検討がまだ初期段階の場合がほとんどです。
原因②:顧客課題が反映されていない
デモの大半が「機能紹介のショーケース」になってしまうのも、よくある失敗です。
ガントチャート周りの操作方法を延々と説明
ダッシュボードのグラフを一通り見せる
モバイルアプリの機能を一覧する
こうした紹介型デモでは、「便利そうだね」で終わってしまいます。
顧客は自社の課題にどう役立つかを知りたいのに、そこが見えなければ「必要ではない」と判断され、
価格だけが比較基準に残るのです。
原因③:ストーリー性が欠けている
単発の機能説明を積み重ねても、デモは刺さりません。
意思決定者にとって必要なのは「業務がどう変わるのか」というシナリオです。
Before:現場で起きている非効率やトラブル
After:ソリューション導入後にそれがどう改善されるか
この「変化の物語」がなければ、意思決定の後押しにはならないのです。
原因④:Wowに偏ったビジョンデモが現実感を失わせる
もう一つ見落とされがちな落とし穴が、Wowを狙いすぎるビジョンデモです。
この際によくあるのが「顧客にWowを与えるために未来的なデモを見せましょう!」という発想。
確かにビジョン提示は必要ですが、現実からかけ離れた未来像を見せられると、顧客はこう感じます。
「そこまで行くのは何年も先の話だ」
「我々の現在の状況とはかけ離れている」
「今見せられて何を決めるのかが見えない」
結果として、期待していた「Wow効果」ではなく、冷めた反応を引き起こしてしまうのです。
特に、現場改善が当面のテーマである顧客に対してビジョンデモを押し付けるのは逆効果になりかねません。
対策:シナリオ型デモで価値を伝える
では、どうすれば「刺さるデモ」にできるのでしょうか。 答えは、シナリオ型デモに切り替えることです。
1. 顧客課題に直結したシナリオを設定する
顧客固有の課題をヒアリングで特定
その課題をデモに組み込み、「御社の業務がこう変わる」という形にする
2. Before → Afterのストーリーを描く
現状の非効率(遅延・二重入力・コスト増)
FSM導入後の改善(作業時間短縮・稼働率向上・粗利改善)
変化の過程を物語化することで共感を得る
3. KPIやROIに接続する
効果を「数字」で裏付ける
「この改善で◯%効率化、◯百万円のコスト削減」と提示すれば、稟議が通る材料になる
こうした工夫により、デモは単なる機能紹介から「意思決定を後押しする武器」へと変わります。
まとめ
FSM提案のデモが刺さらないのは、以下の4つが主な原因です。
汎用デモのまま
顧客課題が反映されていない
ストーリー性が欠けている
Wowに偏ったビジョンデモで現実感を失わせる
逆に言えば、これらを潰して「顧客固有の課題」「ストーリー」「ROI接続」を取り入れれば、デモは圧倒的に刺さるようになります。
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提案デモに悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。